面白いって言ったら不謹慎ですが、久生十蘭「従軍日記」面白すぎます。[本]
探偵小説、ユーモア小説、歴史小説、幻想文学など多彩な作品を残した鬼才、
作家久生十蘭が、第二次世界大戦中に、海軍報道班員としてインドネシアへ
派遣された際に“こっそり”書き記した日記3冊をまとめた「従軍日記」。

僕は従軍手記が好きなので、レポート形式のものから小説まで結構読んでるのですが、
大岡昇平の「俘虜記」「野火」、火野葦平の「麦と兵隊」のように、
極限状態の人間の尊厳、光と闇を描いている(つまり過酷)のに対して、
久生十蘭「従軍日記」は、少し異質で、ある意味ものすごく人間的。
語弊がありますが、悲惨じゃない従軍日記なんです。
が、怠惰な日常の出来事と、おいおい!と言いたくなるセキララな感情が
実に“優しくゆるゆると”記録されています。
ビール飲んだ~とか、上官むかつく~とか、女子があ~だこ~だとか。
もちろん、死に直面している状況下ですから常に暗い影が漂っています。
2年前の没後50年発見! 素晴らしい作品の発見となりました。
